日本のテレビは本当にオワコンなのか?(後編)
後編では、テレビのすごさの本質を考えてみます。
↓前編の記事はこちら
日本のテレビは本当にオワコンなのか?(前編) - 良好ミントの日記
インターネットはテレビの上位互換?
インターネットが栄えてきて、一部の信者の人たちが「テレビなんてもうなくなるよ」と言い出してから、もう10年は経つでしょうか。もちろん、当時より力を失っているように思いますが、それでもなくなってない、あるいは、前編で書いたように、ネットにあがっているものの多くはテレビが起点になっているものが多いのが実情です。結局のところ、まだまだテレビは日本人にとっての真ん中で、インターネットに取って代わられていない、と言えると思います。
なぜ、予想に反してこのような事態になっているのか。
その秘密は、テレビの「チャンネルの少なさ」にあると考えています。
チャンネルの少ないから、テレビはなくならなかった
日本のテレビの凄さの本質はなにか。
それは「チャンネルの少なさ」にあると思います。
え、少ないこと?多いほうがいいんじゃないの?と思うかもしれませんね。
YouTubeも、NetflixやHuluも、ものすごい数のコンテンツがありますよね。一見すると、無限の可能性があって、いつでも好きな時に好きなものが観れるこれらのインターネットの映像サービスが上位互換のように思えます。
でも、これらのサービスはどれも、「何が観たいか」をある程度自分で判断し、そのコンテンツを探さなきゃいけないのです。プル型、と言えるかもしれませんが、どんなコンテンツが面白いのか、自分の好みはなんなのかをきちんと把握している必要があるし、それにたどり着くための情報検索能力も必要になります。
もしテレビがなかったら。
映像コンテンツを観るためには、Googleの、YouTubeの、検索窓に何らかの文字を打ち込まなければなりません。そして出てきたものすごい選択肢の中から、ふさわしいものを選ばなければなりません。
その点テレビは、10個にも満たない選択肢の中から選べばいい。しかも、タイムスケジュールも勝手に組んでくれています。なにも考えなくても、あのリモコンのボタンを押せば世の中の多くの人が観ているコンテンツに辿り着くことができる。それこそがテレビの魅力なのです。
「私はテレビ一切観てませんよ?」という人もいるでしょう。もちろん、そういう人は増えてきていると思うし、言いたいことはわかります。都会の人は触れられる情報が多いので、ある程度自分の好みがわかっていて自分で選ぶこともできると思います。でも、いまあなたが選べるのは、これまでに多くのインプットをしてきたからで、多くの人はそれができないのです。特に地方やご年配の方々はリテラシーがそこまで高くないので、世の中にどんなものがあるのか、自分はどれが好きなのかを判断することができない人は多いと思います。
支えているのはコンテンツ制作力
そして、テレビがチャンネルの少ない王道コンテンツであり続けられるのは、テレビ局の制作能力の高さがあってのことだと思います。
1日に約20時間分の映像コンテンツをつくりあげる力、それもそこに一定以上のクオリティを保ち続けられる力は、本当にすごいです。映像コンテンツなどをつくったことがある人は、想像すればわかると思います。CMなんて、30秒の素材をつくるのに3ヶ月くらいかけて、それも多くの人は徹夜したり土日も働いたりしているわけですから。。。YoutuberのHIKAKINさんも、1本の動画を仕上げるのに編集だけで7時間かける、というお話をされてました。それを、時には生放送も含めて、休みなく提供しつづけられる。こんなテレビ局の制作力は、テレビがまだオワコンじゃない!と言える重要なファクターだと思っています。
以上、「日本のテレビは本当にオワコンなのか?」を前後編でお送りしてきました。
まとまり切っていない部分もありますが、今後機会があれば整理したり、追記したりしたいと思います。今後、テレビとインターネットの関係はどう変化していくのか。注目していきたいですね。
それでは、また!
み