【海外CM】現代版3匹の子豚!?ジャーナリズムの本質を描いた壮大なストーリーCM
ども、良好ミントです。
今回は、海外のCM事例をご紹介。広告の世界的祭典、カンヌ国際クリエイティビティフェスティバルのフィルム部門でゴールドを受賞(2012年)した作品です。
誰もが知る童話を、壮大な現代の物語へ
ご紹介するのは、イギリスの新聞「The Guardian(ザ・ガーディアン)」のCM。
「3匹の子豚」という、誰もが知っている童話をモチーフにし、もし現代で起こった事件だったら?という設定で壮大な社会問題として描く作品です。タイトルは「Three Little Pigs」と“まさに”です。
ジャーナリズムの本質を描き出すストーリー
3匹の子豚が、狼を生きたまま釜茹でにする、という殺人事件が発生。
子豚たちが住むレンガの家に、警察の特殊部隊が突入し、子豚たちは逮捕されます。このショッキングな事件はたちまち世間で話題を呼びます。
残忍な殺人(人ではなく狼ですが)でありながら、狼に家を2軒も吹き飛ばされていた子豚たちこそ被害者だ、という意見が世に出回りますが、途中で狼は喘息持ちで、家が吹き飛ばされたのは本当に狼のせいなのか?と風向きが一変。
しかし、さらに子豚たちは住宅の支払いで困窮していたという事実が発表され、今度は貧困層が富裕層に対してデモを起こす事態に。
紙面やウェブ、モバイルなど様々なメディアを通して新事実が明るみになり、世の中に賛否両論を巻き起こしていく。そんなガーディアン紙の在り方が巧みに表現されています。
監督はRingan Ledwidge
この作品を手がけたのは、Ringan Ledwidge監督。
本作以外にも、NIKEやAdidas、AXEなどなど、数多くの有名ブランドのCMを手がけており、多数の賞を受賞しています。
本作もそうですが、CMながら映画のようなスケール感とストーリーがあり、CMの枠を超えるエンターテイメント性やメッセージ性があるところが特徴ですね。
ブランデッド・コンテンツ
まず、映像がきちんとコンテンツ(=視聴者が観たいと思えるエンターテイメント)になっているところが素晴らしいですね。童話をモチーフにしている、というところが、誰にでも親近感を与える点でうまくワークしているし、それを現代版にカバーする、というアイデアも面白いです。「3匹の子豚を現代で起こった事件という設定で描く」という1行で企画の面白さが伝わるところが、素晴らしいアイデアだと思います。
しかし、ただ面白いだけの動画でなく、きちんとガーディアン紙のブランデッド・コンテンツになっているところが、本当にすごいところだと思います。ひとつの事件も情報や捉え方によって多面的に見えてくるというジャーナリズムの本質を表しつつ、世の中に巻き起こる賛否両論のきっかけ、社会現象の真ん中にガーディアン紙がいる、というところが巧みに表現されていますよね。
まさに、お手本のようなブランデッド・コンテンツだと思います。
以上、今回はここまで。
国内・国外問わず、いろんな事例を取り上げていきたいと思います。
ではまた!
み